国立劇場で歌舞伎と文楽を見よう!


 東京にいるかた、国立劇場に行ったことはありますか?国立病院とか国立研究所とか国立大学とか国立モノは各種ありますが、その「劇場版」。日本という国が後ろ盾になっている劇場になのです。国立の劇場?と言われてもピンとこないかたも多いことでしょう。国立(クニタチ)にある劇場と思っている人もいたりして。

 「芸術と国は無関係。国に認められた芸術なんて真の芸術ではないね」と思っている人も多いことでしょう。わたしも基本そう思っていますが、とは言っても自分も一塊の日本人。日本人なら、一度、その国が作ったという劇場に行ってみる価値はあると思います。「ほう。日本という国はこういう芸術に誇りを持っており、大切にしているのだな」というのが実感できる場所です。

 というタテマエの説明はこのぐらいにして、どうしてオススメするかといいますと、それは比較的安い料金で歌舞伎や文楽を見られるためです。歌舞伎座の場合は3等席が4000円(三部制のときは3000円)からですが、国立劇場の歌舞伎は、3等席だと1800円。映画なみです(座席がかなり狭いので快適とは言えませんが…)。特等席や1等席は歌舞伎座並みですが、花道ヨコの最前列の2等席がなんと5000円と、穴場の席が豊富なのです。

 そして歌舞伎の場合は、公演される演目がけっこうシブイ。古典の名作を公演することもありますが、めったに演じられない演目が演じられたり、何十年ぶりに演じられる演目が演じられたりと、結構得した感があるのです。また、幹部級の歌舞伎役者もでますが、脇を固めるベテラン陣がかなり豪華ということもあげられます。




 そしてときには古典の演目を、大きく演出を変えて今風にアレンジして演出することもあり、歌舞伎も新しくなろうとしているのだな、と好感をもてたりします。2017年の新春公演では、菊之助が宙乗りで客席を2回も飛んでいましたし、ライオンキングならず、ネコがミュージカル風に踊ったりと、いろいろと楽しめます。

 そして、文楽。東京で文楽を定期的に公演しているのが、国立劇場の小劇場になります。国立劇場には大劇場と小劇場があり、大劇場は歌舞伎などの芝居、小劇場は文楽や能など、そして裏手にある国立演芸場では、落語や漫才が公演されています。

 小劇場で公演される文楽は、義太夫のセリフが、両側に設置された電光掲示板にリアルタイムで表示されますので、安心して観劇できます。会場がそんなに大きくないので、後ろでも端っこでもまったく観劇には問題ありません(ほんとうに端っこだと、若干首がいたくなりますが)。

 歌舞伎座での歌舞伎が歌舞伎のすべてではありません。ぜひ、一度は国立劇場で歌舞伎や文楽などを楽しんでみてください。

国立劇場ホームページ
http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html

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