歌舞伎初心者は絶対に観るべき! 「團菊祭五月大歌舞伎(2017)・夜の部」オススメ度の星評価!


  好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!東京・歌舞伎座で公演中の「團菊祭五月大歌舞伎」の初心者向けのオススメ度表です。昼の部に続き夜の部の報告です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。
公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。
★:オススメ、☆:イマイチ

<夜の部>
★★★★★(4)壽曽我対面(4:30-5:15)
★★★★☆(5)伽羅先代萩 御殿・床下(5:45-6:52) 対決・刃傷(7:02-8:04)
★★★★★(6)四変化 弥生の花浅草祭(8:14-9:02)




【総評】
・総合点★★★★★
 でました総合点で満点五つ星! ビギナーがまず見るべき演目が集結しているのでは、と初心者のわたしは思いました。楽しいところもあり、残酷なところもあり、眠たくなるところもあり、ちょっと寝てしまうところもあり、かつ、襲名披露の口上も見ることができるという、「歌舞伎」の多くの要素が網羅されていると思います。昼の部を合わせると世話物も観劇できますので、よりよいでしょう。とても楽しめる公演です。

<5月3日の夜の部の観劇結果です>
★★★★★(4)壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
 初心者のあなた!この歌舞伎演目を観ずして、どの歌舞伎を観るというのでしょうか。ビギナーにこそ絶対に観てほしい演目です。歌舞伎が持つ色彩美と様式美を十分堪能できると思います。たとえば、朝比奈の滑稽で派手なメイクと髪型(バッタ型の「ちからがみ」)、舞台奥上手に並ぶ梶原平次景高と梶原平三景時の魔人ヒゲと髪型(金髪のつっぱり不良にしか見えない)。一方で、美しい女形も舞台上に並ぶなどなど、書ききれません。ぜひ、ご覧ください。肝心のストーリーは…ほぼないに等しいので予習なしに気楽に楽しめます。
 さらに芝居の後半で、楽善、彦三郎、亀蔵、亀三郎の襲名披露を観ることができるのは、とてもお得感があります。
<人間関係図で予習をどうぞ>

★★★★☆(5)伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
 たびたび演じられる有名な演目ですので、ビギナーとしてはぜひ押さえておきたい演目です。一度観ておくと、次回観たときにより深く理解できますので、この機会に観ておきましょう。いやそれにしても、八汐(やしお)は、ほんっとに悪い女だ。子供を毒殺しようとするは、それがバレそうになったら刺し殺すは、さらにその親も殺そうとするは、などなど信じられませんね。というくらい、前半は緊張感があるストーリー展開なのでとても楽しめます。続く場面で、ネズミが荒獅子男之助(あらじしおとこんすけ)に踏みつけられて、手足を弱々しくばたばたさせる場面はとても滑稽で、プッと吹き出してしまいました。そして海老蔵の仁木弾正、贅沢ですね。
 しかし幕間(まくあい)の10分後の裁きの場は動きが少なく、寝ている方が多く見受けられました。遠くからは大きないびきも聞こえてきましたし。みなさんも気を引き締めて観劇しましょう。梅玉の勝元役ははまり役ですから。そして最後の立ち回り場面で引き締まって大団円。2時間にわたる長い演目ですが、眠たくなるところも含めて歌舞伎っぽいところがよいと思います。
<人間関係図で予習をどうぞ>

★★★★★(6)四変化 弥生の花浅草祭(やよいのはなあさくさまつり)
 松緑と亀蔵(元亀寿)の二人の所作事(しょさごと)です。二人ともずっと踊りっぱなしでとても楽しめました。場面がいろいろと変わるので飽きることなく舞踊を楽しめると思います。途中「善」と「悪」のお面をかぶる一見異様な雰囲気の装いとなりますが、ふたりの踊りがきびきびしていて、観ていてとても心地よい演目でした。外国の方も楽しめると思います。
 夜の部は、松緑の活躍により安定した舞台になった印象でした。
 
以上

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