三幕ともお芝居!「六月大歌舞伎(2017)・夜の部」オススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在、東京・歌舞伎座で公演中の「六月大歌舞伎」の初心者向けのオススメ度表です。昼の部に続き夜の部の報告です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。
公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。
★:オススメ、☆:イマイチ

<夜の部>
★★☆☆☆(4)鎌倉三代記 絹川村閑居の場(4:30-5:50)
★★★★☆(5)曽我綉俠御所染 御所五郎蔵(6:20-7:35)
★★★★☆(6)一本刀土俵入(7:50-9:15)




【総評】
・総合点★★★☆☆
 六月大歌舞伎夜の部は、三幕ともお芝居です。最近の歌舞伎座では、舞踊もの(所作事)が一幕、芝居ものが二幕のパターンが多いのですが、今回は三幕ともお芝居。お得感がある一方で、ビギナーとしては集中力と体力を要します。一幕目の重厚な鎌倉三代記を観劇しながら「最後まで耐えられだろうか‥」とふと一抹の不安が頭をよぎりましたが、杞憂でした。最後の一本刀土俵入がとてもわかりやすい良い話でしたので、結果としては大満足です。しかしやはり、二幕目に気分転換で所作事をみたい感じではありました。

<6月3日の夜の部の観劇結果です>
★★☆☆☆(4)鎌倉三代記(かまくらさんだいき)
 これまた「ザ・歌舞伎」。ビギナーは一度観ておくべきで演目しょう。序盤の三浦之助こと松也、時姫こと雀右衛門の場面が長かった‥。「あれ、三浦之助って瀕死の状態で帰ってきたんじゃなかったっけ?」となんども筋書きを読み返してしまいました。これも歌舞伎の愛嬌でしょう。

 しかし、やっぱり後半の展開が複雑だと思います。井戸に入った藤三郎が刺されたあたりからよくわからなくなってしまいました。みなさん、きちんと予習してのぞみましょう。この演目、歌舞伎座では昨年三月の雀右衛門襲名披露でも演じられていました。その時の三浦之助は菊五郎が演じていたのですが、今回は松也。熱演にご期待ください。

 星が少ないのは、やはりビギナーにはちょっとハードルが高いかな=寝てしまう可能性が大きいかな、と思ったためです。それはひとえに、修行が足りないためだと思いますので、はい、引き続き精進いたします。



★★★★☆(5)曽我綉俠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)
 六月大歌舞伎は、花道が上手側にも設置されているのですが(これを「仮花道」といいます)、それはこの演目のためです。それも芝居の冒頭にしか使われていない!贅沢な演出ですよね。その冒頭に両花道にずらりと役者さんが並ぶ姿に圧倒されます。ビギナーとしてはこれさえ見られればよいとも言えるかもしれません。

 河竹黙阿弥の作品です。七五調のセリフが心地よいですね。仁左衛門の赤い着物がとても印象的でした。中盤はちょっと長く感じるところもありましたが、最後の立ち回りでとても締まった感じのする演目でした。仁左衛門はこの演目にしか出演しませんが、もっと観たいところです。秋の国立劇場の公演には出演するようですので、そちらを楽しみにしたく思います。



★★★★☆(6)一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)
 いやあ、よい芝居だった。日本人っていいなあ、と思わせる演目です。夜の部、三つ目の芝居なので最後まで持ちこたえられるか=眠らないで観られるだろうか、というのが、ビギナーとしては一番心配だったのですが、杞憂でした。うたた寝することもなく最後まで楽しく観劇することができました。幸四郎演じる茂平衛がもちろん素晴らしかったのですが、脇を固める猿之助、松緑、歌六らがとても安定していて、盛り上げていました。

 古い懐かしい日本をいたるところで感じられるよい芝居だと思いました。新歌舞伎はどうもはずれが多いと思っていましたが、その考えを改めてくれた好演目でした。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク