歌舞伎初心者向け! 「七月大歌舞伎」(昼の部)オススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在、東京・歌舞伎座で公演中の「七月大歌舞伎」の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。
公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。
★:オススメ、☆:イマイチ

<昼の部>
★★★★★(1)歌舞伎十八番の内 矢の根(11:00-11:28)
★★★☆☆(2)盲長屋梅加賀鳶 加賀鳶(11:58-1:41)
★★★★★(3)連獅子(2:06-2:56)

<夜の部>
通し狂言 駄右衛門花御所異聞
★★★☆☆(4)発端・序幕(4:45-5:45)
★★★★☆(5)二幕目(6:15-7:45)
★★★☆☆(6)大詰(8:05-8:40)



【総評】
・総合点★★★★☆
 総合点で四つ星。今月は夜の部二幕目の堀越勸玄(かんげん)くん「4歳での史上最年少宙乗り」が注目の的ですね。今月はとくにチケット入手困難です。おまけに、幕見席も半分ぐらいに制限されているので、幕見席チケットも厳しい。発売開始の2,3時間前には並ばないとゲットできないでしょう。どうしても観たい方は事前の下調べなどをオススメします。

 さて、昼の部は「歌舞伎十八番」「世話物」「所作事」、夜の部は「新作歌舞伎風」というラインナップで、堀越勸玄くんの話題を除いてもバランスのよい演目となっています。とくに「矢の根」は圧巻! 面白い! 歌舞伎ビギナーとしては必見です。「加賀鳶」はちょっと長いのですが、世話物の傑作です。「連獅子」は海老蔵さん、巳之助さんが迫力満点。「駄右衛門花御所異聞」はさながら「海老蔵ショー」。古い演目を新作歌舞伎風に演出しており、新鮮な演劇を楽しめます。もちろん海老蔵さんファンは必見でしょう。

<7月9日の観劇結果です>
<昼の部>
★★★★★(1)歌舞伎十八番の内 矢の根(11:00-11:28)
 30分弱のとても短い演目。しかし、これを観ずして歌舞伎を語るなかれ。ビギナー、初心者は必見の演目です。ストーリーも単純でわかりやすく、舞台や衣装も面白い。五郎のへんてこな髪形は、オペラグラスでよく観察してみてください。
 右團次さんが迫力満点で演じています。いろいろなタイプの見得も披露されましす。「柱巻きの見得」「元禄見得」などなど。イヤホンガイドが親切に説明してくれますのでお聞き逃しなく!「柱巻きの見得」って、冷静に観ると……柱に手足をかませてちょっと情けないようにも見えて、プッと吹いてしまいました。
 さて、五郎の衣装を整える、裃後見(かみしもこうけん)さんも頑張っていました。仁王たすきを舞台上でまき直しているのも歌舞伎らしい贅沢な演出ですよね。
 しかしビギナーの私が一番関心したのは、右團次さんの足の親指!よく観察してください。登場してしばらくは、足の親指がずっとピンと立っているのです!不思議なことに、この小さな動作ひとつで全体の動きにハリが出るのです。こちらは、「足の指、つらないのかな……」tハラハラしました。みなさんも是非チェックしてください!

★★★☆☆(2)盲長屋梅加賀鳶 加賀鳶(11:58-1:41)
 通称・加賀鳶(かがとび)です。約1時間40分の演目。ちょっと長いです。途中、ビギナーの私は意識を失いました。黙阿弥もので、七五調のセリフが心地よく、途中から子守歌に聞こえてきましたもので。
 海老蔵さん、中車さん、齋入さん、左團次さんと実力派閥そろいです。齋入(さいにゅう)の襲名披露公演でもあります。門之助さんからの襲名です。齋入さん、顔がサムライ顔なので、ちょんまげが似合いますよね。

 この幕の注目は「だんまり」です。暗闇のなかで動く様を表現することを歌舞伎では「だんまり」と言いますが、このだんまりをたっぷり堪能できます。だんまりになると、役者さんの動きがスローテンポになり、時間の流れが変わって不思議な体験をすることができます。そんな感覚は現代であまり感じることがありませんので、ビギナーの私は大好きです。みなさんもたっぷり堪能ください。

 そして、最後は道玄が捕らえられて縄で縛られて幕なのですが、この演目は道玄が縄で縛られながらの幕なんですよね。縄で縛り上げて最後に締めて終了、かと思っていたら、流れるように終了したのが意外でした。こういう演出にも気を配って観ていただきたいと思います。

★★★★★(3)連獅子(2:06-2:56)
 海老蔵さんと巳之助さんの「連獅子(れんじし)」です。海老蔵さんが親獅子、巳之助さんが子獅子。手に「手獅子」をもって登場です。始まるときは、「能舞台」に流れるような太鼓と笛による囃子(はやし)で始まりますが、これを「かたしゃぎり」と言うのだそうです。イヤホンガイドさんが教えてくれました。
 親獅子は金字に白牡丹、子獅子は金字に赤牡丹の扇子をもって登場、舞を舞います。
 しばらく静かに演目が続きますが、やはり見ものは最後の「毛振り」。あたまについている毛を、頭を振り回してグルグル回す演目です。いや、観てるこちらも首や体が痛くなりそうな感覚になりました。お疲れ様でした。

<補足>
 すみません。ビギナーの私は今回は初めて3等A席の西席で鑑賞しました。この席は前後に人がいなくて快適ではあるのですが、花道が全く見えない。背伸びしても、見えない……。そのため、加賀鳶の花道での七五調セリフのやりとりや、連獅子のスッポンでの演技などは、一切観ることができず、とても残念でした。この席を選ぶなら、3等B席か幕見のほうがよいかも、とも思いました。ご参考まで。

<夜の部>
執筆中。少々お待ちください。

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