千本桜はぜひ!「新春浅草歌舞伎」(第1部)初心者向けのオススメ度星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在、浅草公会堂で公演中の「新春浅草歌舞伎」の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<第1部>
お年玉〈年始ご挨拶〉(11:00-11:10)
★★★★★(1)義経千本桜 鳥居前(11:10-11:55)
★☆☆☆☆(2)元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(12:25-2:15)

【総評】
・総合点★★★☆☆
 昼の部は義経千本桜は歌舞伎の代表的な演目ですのでビギナー必見ですが、元禄忠臣蔵はビギナーは観なくてよいと思います。ビギナーのわたしの感想です。

 この元禄忠臣蔵も真山青果という有名な脚本家の代表的な演目ではありますが、どちらかというとこの演目は「歌舞伎俳優の、歌舞伎俳優による、歌舞伎俳優のための演目」という感じです。

 役者さんの鍛錬のお芝居にはぴったりなのでしょう。セリフ劇で動きが少なく長い。歌舞伎に興味をもったひとが観ると、「歌舞伎ってやっぱり難しくてやめておこうかな…」という危険をはらんでいる演目だと思います。ビギナーはそのところを理解の上でお芝居を楽しんでいただきたく思います。

 そして新春浅草歌舞伎で一番のポイントは、イヤホンガイドです。イヤホンガイドは絶対に借りてください。それは、役者さんたちがその演目の解説をしているのです。それもビギナー向けに。とてもわかりやすくてとても面白いですので、みなさんもぜひイヤホンガイドを借りてお聞きください。




<1月6日の観劇結果です>
<第1部>
お年玉〈年始ご挨拶〉(11:00-11:10)
 歌舞伎俳優による年始の挨拶です。この日は米吉さんが挨拶をしておりました。幕が開くと正座した米吉さんが現れ、にぎにぎしい新年の挨拶から始まります。と、それがおわってマイクをもつと、やわらかいトークが始まります。そのギャップが楽しいですね。
 米吉さんは歌六の息子さんですね。お父さんの歌六さんの「怖い顔」からは想像つかないほどの童顔が魅力で、女形としても安定してきました。今後の活躍に期待したいところです。



★★★★★(1)義経千本桜 鳥居前(11:10-11:55)
 義経千本桜は何度も演じられる演目ですので、ビギナー必見です。「ザ・歌舞伎」という演目で、正月にふさわしいお芝居となっています。狐六方(きつねろっぽう)といって、狐の手の形で花道を下がっていく型が可愛いですよね。

 配役は義経が種之助、弁慶が歌昇、静御前(しずかごぜん)が梅丸、佐藤忠太が隼人とういういしくも安定した布陣です。隼人の忠太ははまり役だと思います。歌昇の弁慶もおへそがかわいかった。堂々としています。

 この演目は難しいことは考えずに、目で楽しめるお芝居だと思いますので、ビギナーはぜひお楽しみいただきたいところです。




★☆☆☆☆(2)元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(12:25-2:15)
 昭和初期の有名な脚本家、真山青果による元禄忠臣蔵です。いわゆる忠臣蔵の裏側の話です。この元禄忠臣蔵は、芸術的に評価が高いのか、しばしば演じられています。ビギナーとしてはかなり難しく感じられますので、おすすめはしませんが、ビギナーから卒業しそうな段階になると、その奥深さを感じることができるようになるでしょう。

 新歌舞伎でかつセリフ劇のため、動きが少なく眠たくなる。いや、絶対に眠ってしまうでしょう。BGMがないままで進行するセリフ劇は、緊迫感が長く続き、かなりの集中力を要します。まわりの多くの人たちが眠っていました…。いびきも聞こえてきましたから。

 この演目は、歌舞伎俳優の登竜門的なお芝居のようです。イヤホンガイドでも、「緊迫した状況をお客様に理解いただけるよう、しっかりと演じてみたい」というようなことを松也が言っていました。若者が主役の新春浅草歌舞伎としては最適な演目なのかもしれませんね。でも、もうすこしお客様目線で、「新年の浅草」という場も考慮して楽しめる演目を選んでいただきたいとも思いました。松竹さん、来年はよろしくお願いします。

 配役は、綱豊に松也、冨之森に巳之助、おきよに米吉、江島が新悟となっています。松也は立派ですね。堂々と演技していました。松也の演技を巳之助らが支える、という構図でしょうか。最後の能舞台に向かう場面が印象的ですね。

 みなさま、ありがとうございました。

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