海老蔵の歌舞伎愛を感じられる!「七月大歌舞伎(2018)」(昼の部)初心者向けオススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!東京・歌舞伎座で公演されたの「七月大歌舞伎」(昼の部)の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<昼の部>
★★☆☆☆(1)通し狂言 三國無雙瓢箪久 序幕(11:00-12:07)
★★★☆☆(2)通し狂言 三國無雙瓢箪久 二幕目(12:37-2:00)
★★★☆☆(3)通し狂言 三國無雙瓢箪久 大詰(2:25-3:00)




【総評】
・総合点★★★★☆
 七月大歌舞伎・昼の部のビギナー向けの星評価は、四つ星です。演目の内容的には三つ星ですが、海老蔵の歌舞伎愛、歌舞伎ファンへの配慮が感じられる点をかって、四つ星としました。

 序幕の冒頭のほか、節目節目で海老蔵が舞台に現れてストーリーの説明をするのは、いわば定番になりつつあるような気がしますが、とてもすばらしいことです。「歌舞伎の未来」を真剣に考えている海老蔵に拍手を送りたいと思います。少しでも歌舞伎を楽しんで欲しい、という熱意がひしひしと伝わってきますよね。海老蔵が座頭(ざがしら)の公演のときは、このパターンですよね。昔からの歌舞伎ファンにとっては、「余計な演出」と思うかもしれませんが、ビギナーとしてはとても親切です。ぜひ今後も貫いてほしいと思います。

 この七月公演は夜の部の「源氏物語」にばかり注目が集まっていますが、この昼の部こそ、海老蔵の歌舞伎に対する危機感、歌舞伎をなんとかしたいという熱意が感じらる公演だと思いました。みなさんはいかがだったでしょうか。




<7月14日の観劇記録です>
★★☆☆☆(1)通し狂言 三國無雙瓢箪久 序幕(11:00-12:07)
 冒頭、巨大な日本地図をバックに海老蔵がストーリーの説明をします。とてもわかりやすいですよね。「そうか、秀吉のお話か」と油断していると、幕が開くと西遊記の3名が舞台に現れます。このサプライズ感が楽しいですが、正直言って序幕はよく内容がわかりませんでした。申し訳ございません。目で楽しませていただいた感じです。



★★★☆☆(2)通し狂言 三國無雙瓢箪久 二幕目(12:37-2:00)
 二幕目で一番すばらしかったのは、ずばり「だんまり」です。「だんまり」とは、暗い中に手探りで動き回る様を、こっけいに表現する歌舞伎の表現形式です。明るい中一列にならんでゆっくりと動くのはとても新鮮で、歌舞伎の楽しさを味わえる場面だと思います。

 そして、琵琶湖の幕。馬にまたがる獅童が格好いい。バックの義太夫節もとても力強い下座音楽を奏でています。イヤホンガイドによると「シェイクスピアのお芝居にも通じる」と説明していた気がしますが、とても見事な演出です。最後には、舞台上に波なくなって、馬と一緒に見得を切る、という流れで、とても新鮮でした。

 途中に、海老蔵によるストーリーの補足のあと、さあ、海老蔵の立ち廻りです。いや、屋根の上にたくさん人がいるわいるや。数えると合計16人ものっていました。そして板を使った立ち廻りは見ていて楽しいモノです。はらはらしましたが見事に演じきっていました。殺陣のみなさま、お疲れ様でした。楽しませていただけましたよ。






★★★☆☆(3)通し狂言 三國無雙瓢箪久 大詰(2:25-3:00)
 三幕目は清洲会議とのこと。海老蔵のアナウンスが入って幕が開くと、裃(かみしも)姿の武士たちがずらり勢揃い。正面からみてまさに対象の美、歌舞伎の美学を堪能できます。

 この舞台の注目は海老蔵の長男、堀越勸玄(かんげん)ちゃんでしょう。最後の奥庭の幕では、立派にセリフを言った後、家臣役の俳優(東蔵?)が大げさに驚くシーンでは、笑顔で笑っていました。と、しばらくすると、ふたたび役者顔に戻っていました。こういうように芝居を学んでいくんでしょうね。

 そして最後は切り口上。舞台で挨拶をして終了です。海老蔵が主役のお芝居ではありますが、その脇を固める布陣、右團次、児太郎、友右衛門、雀右衛門、東蔵らがとても安定していて、とても素晴らしいお芝居となっておりました。ありがとうございました。




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