雰囲気だけで感動!「四国こんぴら歌舞伎[旧金丸座](2018)」初心者向けオススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!香川県・金比羅山のふもとにある旧金比羅大芝居(旧金丸座)で公演中の「四国こんぴら歌舞伎」の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<第一部>
★★★★☆(1)江島生島(11:00-11:40)
幕間 20分
★★★★☆(2)其俤対編笠 鞘當(12:00-12:30)
幕間 30分
★★★★★(3)新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(1:00-2:15)

<第二部>
★★★★☆(4)義経千本桜 鳥居前 (3:30-4:20)
幕間 20分
★★★★☆(5)鎌倉三代記 (4:40-5:55)
幕間 25分
★★★★★(6)石橋(6:20-6:35)





【総評】
・総合点★★★★☆
 国の重要文化財に指定されている芝居小屋、旧金比羅大芝居で毎年1回、特別に開催される歌舞伎です。ビギナーが観劇するのには贅沢すぎかもしれませんが、もしビギナーが行っても楽しめるか、といいますと、安心してください。十分楽しめます。そのような視点で四つ星としました。ひとつ星がないのは、イヤホンガイドがないためです。ぜひイヤホンガイドを聞きながら鑑賞したい。IoT時代ともいわれる昨今、ポータブルなイヤホンガイドシステムもあるのではないでしょうか。ぜひ、イヤホンガイド社様、検討をよろしくお願いいたします。

 さて、とにかく観客席と舞台が近い!

 著名な歌舞伎役者を間近に見ることができるという、とても贅沢な歌舞伎を楽しむことができます。いつも歌舞伎座3等席からオペラグラスごしに見ているあの役者さんが、本当にすぐそこにいる! そして近くで見ると、とても背が高い! 白塗りをとてもきれいに塗っている! おしろいの上品な香りが漂ってくる! 演じている役者さんも楽しそう! 観客が近くて楽しいのかな? 演じずらいのかな? 江戸時代もこんなかんじだった? などなど、いろいろ考えさせられ格別です。歌舞伎に対するイメージが変わり、まさに新鮮さを味わうことができます。

 歌舞伎はずっと観てきたけどちょっとマンネリになってきた…、という方にもぜひオススメいたします。歌舞伎の別の顔、いや、本当の顔を見ることができると思います。歌舞伎鑑賞のついでに金比羅参りもできますから、歌舞伎に興味のある方はぜひ観劇しましょう。JTBが観劇チケット付きの全国からの観劇ツアーを企画しています。

 演目は、もうなんでもよいじゃないですか。「なんにも言えねっ」ということで、各演目の感想はほんの少しで勘弁ください。




<4月8日(日)二日目の観劇結果です>
★★★★☆(1)江島生島(えじまいくしま)
 前方の平場席から観劇しましたが、松也の息づかいが聞こえてきて、こちらが緊張しました。そして児太郎がキリリとして格好いい。いや、背が高いんですね。松也と児太郎の緊張感あるやりとりがみどころです。




★★★★☆(2)其俤対編笠 鞘當(さやあて)
 上部に多数の輪がついた金属の杖をかなり強く床に打ちつける「ガッシャ、ガッシャ」という金属音とともに、二人が花道から登場します。そのあまりもの力強さに「あ、ここ重要文化財なのに、そんなに力強く突いたら、床が抜けてしまうよ。床に傷つくよ。あ、重要文化財が…」と本当に心配しました。二人とも背筋をピンと伸ばし堂々と演技しているので、こちらも気が引き締まりました。

そして仮花道に梅玉、花道に橋之助が登場。橋之助のセリフはとても力強くて、驚くくらいでした。そうして芝翫、橋之助の襲名披露。舞台下手から、福之助/橋之助/芝翫/梅玉/児太郎/魁春と並び、口上です。歌舞伎座の口上に比べるとかなりコンパクトですが、それだけより親しみが持てます。児太郎のあいさつの「父福助はリハビリに頑張っています」との言葉で、会場からはより大きな声援が鳴りやみませんでした。まさに頑張ってほしいですよね。梅玉が挨拶でちょっとかんでいましたが、観客からのあたたかい励ましの声に会場が和んだのがとても印象てきでした。




★★★★★(3)新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
 この魚屋宗五郎は、芝翫がまだ橋之助だった2016年6月に国立劇場で演じていました。その後、菊五郎が2017年5月の歌舞伎座での團菊祭で演じていましたね。一般に「魚屋宗五郎といえば菊五郎」らしいのですが、ビギナーのわたしは、最初に橋之助バージョンを観たので、「魚屋宗五郎といえば芝翫(橋之助)」と思っております。そのお芝居をこんぴら歌舞伎で観られて超ラッキーです。芝翫サイコー!とても楽しいお芝居でした。

 宗五郎がお酒を飲むときの黒御簾(くろみす)音楽がとても愉快で、会場から笑いが起きていました。お酒をもってきた子役の笑顔がとても可愛く、会場のあちらこちらから「あっら、かわいいわねー」という声が聞こえてきました。芝翫が熱演していて、汗をかいているのを間近に観ることができ、こちらも熱中度が伝わってきました。花道で転んだ芝翫の、白いふんどしがみえて、ちょっと目のやり場にこまりました。ほんとに。それほど近くてよい芝居小屋です。





<4月7日(土)初日の観劇結果です>
★★★★☆(4)義経千本桜 鳥居前(よしつねせんぼんざくら とりいまえ)
 この舞台は、ビギナーのわたしは2階桟敷席の一番上座から観ました。なんとこの席は、舞台の上にあるのです。直ぐ下で役者さんが演じているのですよ!感激のあまり、内容はよく覚えておりません…。すみません。

 覚えていることは、松也の義経がとても近くに見えてこちらが緊張したこと、児太郎の静御前もきりりとしていたこと、狐六方(きつねろっぽう)で堂々と橋之助が跳びはねていたくらいです。早見藤太の橘太郎も楽しかった。感心したのは、いくら舞台が小さくても、役者のみなさん、視線が動かない、堂々としているんですよね。小さい会場なので、視線の置き場所に困るのかとおもったら、そんなことはない。プロ魂を改めて感じることができました。




★★★★☆(5)鎌倉三代記(かまくらさんだいき)
 こちらもステージ上から観劇する形でした。冒頭、傷を負って帰って来た三浦之助の梅玉が入り口にぶつかってよろけるシーンは、なんだかとっても滑稽にみえて「プッ」と笑ってしまいました。近すぎて変な感じだったのです。また、衣装を一瞬でかえる「ぶっかえり」のシーン(芝翫の高綱?)では、黒衣さんが一生懸命に準備しているのを見ることができて、感動しました。いろんな人に支えられて歌舞伎は成り立っているということを、この目で確認した、という感じですね。




★★★★★(6)石橋(しゃっきょう)
 いや、驚いた。紙吹雪がものすごい。ハンパナイ! とにかく天井からこれでもかというくらいに紙吹雪が舞って、2階桟敷から除くと1階前方のお客様は、足元が紙吹雪で埋まるくらいの量が積もっていました。膝においてあるブランケットが紙吹雪で隠れるくらい。とにかくすごい量です。これを見られただけでこんぴらに来たかいがあったというものです。

 連獅子は、松也、橋之助、福之助の3人ですが、頑張ってましたね。初日と言うこともあり若干息があっていなかった、人の背中に乗って決める見得では、足がすべって乗れずに見得を切っていた、などありますが、すべて紙吹雪が帳消しにしてくれています。福之助の獅子回しが、きびきびして気持ちよかったです。

 四国こんぴら歌舞伎、くせになりそうです。ちょっと気になっている方、迷っている方は是非一度訪れることを強くオススメいたします。ビギナーのわたしも再訪したく思います。幸四郎襲名披露は来年かな・・・。

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