海老蔵の弁慶は絶必!「團菊祭五月大歌舞伎(2019)」(昼の部)初心者向けオススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在東京・歌舞伎座で公演されている「團菊祭五月大歌舞伎」(昼の部)の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<昼の部>
★★★★★(1)寿曽我対面(11:00-11:47)
★★★★★(2)歌舞伎十八番の内 勧進帳(12:17-1:27)
★★★★☆(3)神明恵和合取組 め組の喧嘩 (1:47-3:37)




【総評】
・総合点★★★★★
 令和最初の歌舞伎は、ビギナー必見です。絶対に観るべきです。一幕目の「寿曽我対面」は歌舞伎のいわば「お祝い事のデフォルト」とも言える演目でこの機会に絶対にておくべきですし、「勧進帳」はおそらく「海老蔵」名義最後の弁慶ですので、これも必見。さらに、最後の「め組の喧嘩」も賑やかで楽しいですし、絶対に楽しめます。バランスもよいですし、ビギナーのみなさん、絶対にチェックしましょう。
 ただし、二幕目の「勧進帳」はやはり人気です。幕見席も早めに満員となって売り切れてしまっているようですので、観ようと思っている方は早めに並ぶようにしてください。




【演目ごとの講評】
<6日の観劇記録です>
★★★★★(1)寿曽我対面(11:00-11:47)
 この演目を「ズバリ言うと」・・・

・歌舞伎のお祝い事として演じられるとても有名な演目で、役者さんの間では「タイメン」と呼ばれている
・いわゆる「歌舞伎」を楽しめる演目で、舞台上にずらりといろいろなタイプの役者が並ぶ「歌舞伎人間図鑑」とも呼ばれる演目
・上演時間も1時間未満で、ストーリーも複雑ではなく、初心者から外国人観光客にもわかりやすい演目

 という感じです。
 歌舞伎らしい豪華な雰囲気を味わえるでビギナーも楽しめます。「ことぶきそがのたいめん」と読みます。ビギナーはこの単語は覚えておきましょう。ことぶきそがのたいめん。コトブキソガノタイメン。これこそいわゆる「ザ・歌舞伎」。時間も1時間未満で長くありません。ただ油断すると途中からストーリーがわからなくなりますので、しっかりと予習して臨んでください。

 今回の感想を箇条書きにしました。
・悪役の工藤祐経を尾上松緑が演じていて、高座に座る前に舞台に向かって挨拶をしていた!観客との一体感を演出する、歌舞伎独自のの醍醐味を味わうことができると思います。
・悪態をつく朝比奈を若手の歌昇が初役で熱演。貫禄十分でした。
・「笑え!笑え!」のセリフでは、景時役の菊市郎が頭を振って悪態をつく好演が決まっていました。
・工藤を討ちにきた曽我十郎、曽我五郎を梅枝と萬太郎の兄弟が、大磯の虎を尾上右近が演じていましたが、若手ながら安定していました。

 外国人を歌舞伎座に連れて行くのであれば、ぜひこの演目を紹介してあげてください。





★★★★★(2)歌舞伎十八番の内 勧進帳(12:17-1:27)
 この演目「勧進帳」を「ズバリ言うと」・・・
・数ある歌舞伎演目でも一番人気の演目で、一幕見席は売り切れることが多い
・上演時間は70分。舞台は松羽目物という能舞台を模した舞台で変化がなく、油断すると眠たくなるまさに「歌舞伎」
・弁慶が白紙の勧進帳を読み上げる場面、「延年の舞(えんねんのまい)」を踊る場面、最後に花道からスキップしながら引っ込む場面(飛び六方)が有名だが、ほかにもいろいろと見どころがある演目

という感じです。

 今年の團菊祭の注目は、なんといっても主役の弁慶を海老蔵が演じているという点です。それも含めて見どころはズバリ下記です。
・八挺八枚の長唄連中がずらり舞台背後に並ぶ姿が圧巻でした。
・海老蔵の弁慶、菊之助の義経というコンビに注目。注目度はもちろん海老蔵でしょうか。
・海老蔵は汗まみれで好演。より目はパナイより目度合いでした。見ているこちらの目が痛くなるほどです。
・富樫役の松緑が最後に鮮やかな水色の着物で登場するのも新鮮でした。

いや、海老蔵。まさにこの勧進帳の弁慶は、團十郎前の「海老蔵納め」だと思います。熱が入っていて、海老蔵ファンではなくても納得の演目だと思います。ビギナーは幕見で並んででも観るようにしましょう。





★★★★☆(3)神明恵和合取組 め組の喧嘩 (1:47-3:37)
 この演目「め組の喧嘩」を「ズバリ言うと」・・・
・舞台上に大人数が登場してとても威勢の良いお芝居!
・ストーリーもそんなに複雑ではなく、万が一内容がわからなくなっても、なんだかにぎやかで楽しい気分を味わえて幸せな気分になれる
・菊五郎の存在がお芝居を引き締めている

という感じです。このお芝居を観ることで、いやなことも吹き飛ばしましょう!

 ほか箇条書きで感想を記します。
・冒頭、相撲甚句が流れる中で左團次演じる関取の四ツ車が赤いお膳の前に。左團次の相撲取りはほんとうに貫禄がありますよね。
・獅子舞が舞っているうちに、廻り舞台で舞台が一変。この自然な場面展開が歌舞伎の醍醐味でもありますよね。
・亀蔵の赤ふんどし、最後に登場する歌六など、最後まで楽しめました。
みなさまm、ステキなお芝居をありがとうございました。




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