「二月大歌舞伎(2022)」(第一部)」初心者向けオススメ度の星評価!

 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在東京・歌舞伎座で公演されている「二月大歌舞伎」(第一部)の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<第一部>
(1)★★☆☆☆元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(11:00-12:33)
(2)★★★★☆石橋(1:03-1:18)

【総評】
・総合点★★★☆☆
 二月大歌舞伎の第一部は、有名な新歌舞伎(新作歌舞伎ではありません)「元禄忠臣蔵」からの一部分「御浜御殿綱豊卿」と、舞踊劇「石橋(しゃっきょう)」です。元禄忠臣蔵は、昭和に生まれた新歌舞伎で、歌舞伎ビギナーからすると「普通の時代劇」にしか見えないかもしれませんが、新歌舞伎の劇作家として有名な真山青果の代表作として、繰り返し演じられています。真山青果のお芝居を見たことのないビギナーは必見です。
二幕目の「石橋(しゃっきょう)」は、獅子がでてくる石橋物です。15分ととても短い舞踊劇ですので、初心者も安心して見られます。初心者が見ても楽しめるか、観るべきか、という視点から及第点の三つ星としました。

【演目ごとの講評】
<5日の観劇記録です>
(1)★★☆☆☆元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(11:00-12:33)
真山青果(まやませいか)の有名な新歌舞伎です。主役の綱豊卿を演じるのは、中村梅玉。この役をはまり役としています。そして、もう一人の主役、富森助右衛門は尾上松緑。ふたりの緊迫したやりとりが続くセリフ劇です。江戸城で刃傷沙汰を起こした、忠臣蔵事件のその後の話で、大石内蔵助が仇討ちを果たす前、それを取り巻く人々の人間模様を描いたお芝居となります。いやとにかく、セリフが多い。セリフが長い。観てる方も、気が抜けず、もう大変です。周りを見渡すと、船をこいでいる人が多数見受けられましたが、ある意味致し方ないかもしれません。
ビギナーの方は、このお芝居は歌舞伎と思わず、歌舞伎の枠にはまった人間ドラマの劇、ととらえたほうがよいとおもいます。そのため、荒事など、いわゆる歌舞伎を期待している方にはおすすめしません。歌舞伎初心者を脱して、広くウィングを広げようと思っている方は、真山青果の芝居として必見であることは間違いありません。
主君を大切に思いやる心(忠臣)、兄を思う兄妹愛、などとてもとても奥深いお芝居です。会社での上司と部下、仲間の関係に当てはまるようなところもあり、いろいろと考えさせられる芝居で、繰り返し上演されるのがわかる気がします。とくに、演じる役者の力量が問われるお芝居で、中村梅玉の力量に感服。このお芝居を観て、なにかこころに残る物が得られるようでしたら、歌舞伎ビギナー卒業かもしれません。富森助右衛門の血気盛んな部分などは、曽我物の十郎、五郎に通じるところもあり、いや、ふところの広いお芝居です。

新歌舞伎ということで、イヤホンガイドを借りようかどうか迷いましたが、借りて正解でした。セリフの応酬が続いて集中力が切れてしまいそうになると、「ここからが重要な場面です」「ここで重要なセリフです」など、ピンポイントで指摘してくれて、ほんとうに助かりました。やっぱり、イヤホンガイドは必須ですね。

(2)★★★★☆石橋(1:03-1:18)
連獅子が頭で毛を振る、毛振りがメインのお芝居です。親獅子が錦之助、二人の子獅子を、鷹之資と左近が演じます。舞台中央に石橋がかかっているなか、3人の獅子たちがせり上がってきます。15分という短い舞踊ものですので、あっという間に終わりますが、クライマックスの毛振りは、何度観ても圧巻ですね。
ビギナーとしては、この舞台となる清涼山、文殊菩薩、石橋物(しゃっきょうもの)、牡丹などのキーワードは暗記しておきましょう。

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