角田光代版「曽根崎心中」を読んでみた


  みなさん、人気作家の角田光代さんが「曽根崎心中」という本を出しているのをご存知でしょうか。今年年初、日本経済新聞の「読書日記」というコーナーで、中村壱太郎さんがこの本について触れていましたので、読んでみました。

   いや、面白かった。ためになった。ビギナーとして勉強になった。曽根崎心中にちょっと興味のあるかたは、ぜひ一読してみてください。すぐに読み終わりますから。

  「曽根崎心中」は文楽では何度か見ているのですが、歌舞伎では見たことはありません。そのため、お初の生い立ちや心の微妙な動き、当時の徳米衛の生まれ育った環境などは、よくわかりませんでしたが(ただ単に太夫さんの話を理解できていなかったのかも…)、この本を通して、彼らをとりまく周りの環境、時代背景をより詳しく知ることができて徳兵衛、もとい、得した気分です。




 この本は、目次もなく、章ごとにも分かれていないため、読みづらいなと思いながら読み進めました。お初のモノローグで話は進みます。しかし、読むにつれて自分がお初になってきます。男のわたしもお初になりました。こんな不幸な女性を生み出した江戸時代っていったいなに? そして、読む前は徳兵衛は、ほんっとだらっしない男だな、と思っていましたが、ちょっとかわいそうにも思いました。そういう時代だったのかもしれませんしね。

  でも、読む前と読む後で変わらないのは、やっぱり九平次は許せないヤツだ、ということです。徳兵衛が嘘をついていないことを信じたいです。みなさん、ぜひ一読してみてください。

  

  

  

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