歌舞伎初心者向け! 国立劇場「伊賀越道中双六」オススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価!今回は東京・国立劇場大劇場で公演中の「通し狂言 伊賀越道中双六」の初心者向けのオススメ度表です。国立劇場は幕見席はありませんので、通しての評価です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。
公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。
★:オススメ、☆:イマイチ

「通し狂言 伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」
★★★☆☆





<12:00から12:50>
序  幕 相州鎌倉 和田行家屋敷の場
二幕目 相州鎌倉 円覚寺方丈の場
      同     門外の場
<幕間35分>
<1:25から2:05>
三幕目 三州藤川 新関の場
      同    裏手竹藪の場
<幕間20分>
<2:25から4:05>
四幕目 三州岡崎 山田幸兵衛住家の場
<10分>
<4:15から4:25>
大  詰 伊賀上野 敵討の場

【総評】
今回の総合点です。
★★★☆☆(三つ星)
ビギナー向けという視点からすると、限りなく四つ星に近い三つ星。歌舞伎通の人が見ると五つ星かもしれません。

・歌舞伎的な派手な芝居を期待している人には適していないでしょう。しかし、歌舞伎の奥深い世界を理解したい、という人には必見です。

・いわゆる歌舞伎的なところ(荒事や派手なメイクアップ)はありません。しいてあげるとすると、股五郎役の錦之助のメイクが、いわゆる「歌舞伎っぽい」と言えるかもしれませんが、ほかはいわゆる時代劇です。

・歌舞伎によくとりあげられる、「仇討ち」、「忠誠心」、「親子の愛」、「立ち回り」が網羅されているので、実は歌舞伎のエッセンスが全て含まれている名作なのかもしれません。歌舞伎特有の「だんまり」という様式も演じられています。




・必見は四幕目の有名な「三州岡崎」、通称「岡崎」でしょう。1時間半。とにかく長い。暗い。イヤホンガイドでも「暗い話ですが・・・」と言っていましたし。案の定、寝ている人度が高かったです。登場人物の動きが少なく、ビギナーのわたしも途中寝てしまいました。吉右衛門が本当にタバコの葉らしい茶色いものを切り刻んでいましたよ。

・「岡崎」でよかったのは、実は雀右衛門。子を思う親の心情をとてもよく熱演していたと思います。雀右衛門襲名後、ようやく板についてきたという印象を受け、襲名から応援しているものとしては安心しました。吉右衛門から足蹴にされたときはぎょっとして「プッ」と吹いてしまいましたが。

・大詰の仇討ちの場は、すがすがしいものでした。芝居のエンディングにはとてもふさわしく感じました。吉右衛門が二刀流で立ち回っていたのには驚きました。また、回り舞台がうごいて、その裏側では、菊之助と錦之助が対決しているのにも感動。大道具さんの面目躍起でしょう。

・ビギナーとしてはちょっと物足りない、理解不能な点も多いかもしれませんが、「寺子屋」っぽい要素があったり、立ち回りの楽しさ、爽快感も楽しめますので、興味のある方にはぜひ見ていただきたい演目です。

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