三浦しをんの「あやつられ文楽鑑賞」を読んでみた


 三浦しをんの「あやつられ文楽鑑賞」を読みました。
 ★★★★。星四つ。つまり、ビギナーにはオススメということになります。

 ビギナー的な視点をそのまま素直に文章にしていて、とても共感できる本でした。文楽や歌舞伎を見て腑に落ちない点がよく理解できたのです。なかでも一番「たしかにそうだ!」と思ったのは、歌舞伎の丸本物で、登場人物が主人公をのぞき、しばらく動かないことの説明。これ、不思議に思っていました。どうしてあんなに間があくのかと。気になる方はぜひお読みください。




 この本の難点は文章が読みづらい…。これは三浦しをんではなく、担当編集者の力量の問題だと思いました。この本では終始一貫して「ずっこける雰囲気」をなんとか表現しようとしているのですが、その表現がイタく、ちょっと稚拙。その結果、日本語としてとても読みづらい文章になっているのが残念です。もっと素直に、読みやすい文章で書いてほしいところです。

 また 「仮名手本忠臣蔵」の章は、本当にこまかく芝居の進行を記していて楽しく、観劇の復習に最適です。昨年末の国立劇場50周年記念でちょうど演じられていましたよね。でも、通しで観たことのないひとは、間違いなくこの部分は飛ばしてしまうでしょう。長いんですもの。

 いずれにせよ、文楽初心者の必読本と言えますので、ぜひお読みください。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク