歌舞伎初心者向け! 「團菊祭五月大歌舞伎(2017)・昼の部」オススメ度の星評価!


  好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!東京・歌舞伎座で公演中の「團菊祭五月大歌舞伎」の初心者向けのオススメ度表です。まずは昼の部の報告です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。
公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。
★:オススメ、☆:イマイチ

<昼の部>
★★★★☆(1)梶原平三誉石切(11:00-12:23)
★★★☆☆(2)義経千本桜 吉野山(12:53-1:41)
★★★★★(3)新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(2:01-3:18)




【総評】
・総合点★★★★☆
ビギナーにはハードルが高いと思われる新歌舞伎がなく、有名な演目が揃っているという点で必見です。「世話物」がどういうものかわからない初心者の方にとって「魚屋宗五郎」はとてもよい「世話物入門」でしょう。観ていて楽しいですから。また、菊五郎のお孫さん、つまり女優・寺島しのぶの息子さんも出演していますので、子供好きの方、歌舞伎の家系が気になる方もよいかもしれません。

<5月3日の昼の部の観劇結果です>
★★★★☆(1)梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
 襲名披露の楽善、彦三郎、亀蔵が出演している演目です。ストーリーもそんなに複雑でないため初心者も気軽に楽しめるでしょう。歌舞伎らしい派手なメイクもありますので、外国の方も満足することと思います。ただ、舞台に変化がなく同じセットが続くため、中盤の展開が遅い場面で気をぬくと、つい船を漕いでしまうかもしれませんので、ご注意ください。呑助役を松緑が面白おかしく演じていて楽しめます。また、巳之助、橘太郎も脇役で後ろに控えているところが襲名披露公演のすばらしいところですね。カラフルな着物が印象に残る舞台でした。2016年1月の歌舞伎座では、梶原を吉右衛門、六郎太夫を歌六、呑助を男女蔵が演じていました。
<人間関係図で予習をどうぞ>

★★★☆☆(2)義経千本桜 吉野山(よしつねせんぼんざくら よしのやま)
 道行(みちゆき)ものの典型としてビギナー必見の演目です。海老蔵が忠信、菊之助が静御前を演じています。この直前の演目では菊之助が立役(男役)としてでていますので、歌舞伎役者の器用なところが実感できると思います。星がすこし少ないのは、踊りがおとなしめなところがちょっと物足りない気がしたためです。ただ、海老蔵が出てくると舞台が引き締まる感じがよくわかると思います。海老蔵の「究極のより目」を見るためにも、ぜひチェックしてみてください。

★★★★★(3)新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(しんさらやしきつきのあまがさ)
 「尾上菊五郎オンステージ」を堪能できる演目です。たのしいテレビドラマを観ているような感覚で幸せな気分になれます。「河竹黙阿弥の世話物っていいなあ」と実感できる演目ですので、ビギナーの方はぜひチェックしてください。宗五郎がお酒を飲む場面で、下座音楽と演技がうまくマッチし、滑稽さを醸し出しているところが最高です。菊五郎のお孫さん、寺嶋眞秀くんも可愛いですね。また「磯部の屋敷は芝の増上寺のあたりにあります」と説明していたイヤホンガイドのおかげで、芝居が一気に身近に感じられました。髙木美智子さん、ありがとうございました。「酔っていうんじゃございませんが・・・」の名セリフを聞き逃しなく。
 一幕目の「石切」でもそうですが、実は昼の部は、團蔵の好演で引き締まった舞台となっていた印象でした。
<人間関係図で予習をどうぞ>

以上

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