千之助の素晴らしさが突出!「八月納涼歌舞伎(2018)」(第二部)初心者向けオススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在東京・歌舞伎座で公演中の「八月納涼歌舞伎」(第二部)の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<第二部>
★★★★★(1)東海道中膝栗毛(3:00-4:50)
★★★★☆(2)雨乞其角(5:05-5:23)




【総評】
・総合点★★★★☆
 八月納涼歌舞伎の第二部は、おなじみの東海道中膝栗毛がメインです。副題は「再伊勢参!?YJKT(またいくの?こりないめんめん)」。これは歌舞伎というよりも現代劇ですよね。いわゆる歌舞伎っぽい伝統芸をお求めのみなさまにとってみると「ちんぷんかんぷん」でしょうが、これも歌舞伎。「楽しめればいいのだ」ということを知る良い機会の芝居でしょう。ビギナーにもぜひこの雰囲気を楽しんでほしいですので、文句なしの四つ星とさせていただきました。とにかく楽しい。

 そしてはちゃめちゃななお芝居の後には、しっとりとした舞踊も楽しめますので、お得感満載なお芝居です。



<8月11日の観劇記録です>
★★★★★(1)東海道中膝栗毛(3:00-4:50)
 文句なしの五つ星です。伝統的な歌舞伎ファンには顔をしかめる人もいるかもしれませんが、そこは察してあげましょう。とてもたのしいお芝居です。夏のお祭り気分を楽しみましょう。一昨年から比べると、ちょっと演出が地味というか抑え気味になっている印象もありますが、それでも楽しいお芝居です。だって、一昨年は獅童が高い鼻をつけて西洋人を演じたり、舞台上で大きなプールがあって水浸し、などそれはもうドリフでしたからね。ちょっとそのような舞台をまた見たいと思っていましたが、贅沢と言えましょう。来年に期待したいところです。

 この幕で一番素晴らしいのは、お園役の女形に分した片岡千之助です。その踊りのすばらしこと!将来の逸材を目にしたことが一番の収穫です。会場からもため息と、あの子役はだれ?とざわめきがありました。筆者も染五郎?かと思いましたが、「松嶋屋」のかけ声で千之助と気づいた次第です。千之助は片岡孝太郎の息子さんで18歳ですって。将来の仁左衛門ですものね、順当に行くと。

 芝居の構成は実は巧妙です。主役の組が「獅童・中車・七之助」「幸四郎・猿之助」「團子・染五郎」が入れ替わり立ち替わり登場するという凝った内容にもなっているのに注目です。

 さて舞台は、喜多八の葬儀の様子からスタートです。いきなり猿之助が黒い縁に飾られた遺影で登場して度肝を抜かれました。ほか箇条書きで記します。
・亀蔵があばたの顔で登場。なんと、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)の一部分を演じていました。
・だんまりが大人数で楽しめました。
・橋之助、福之助の踊りがキビキビしてとても心地よいものでした。
・最後に登場したキリストは門之助。いや、キリスト役は彼以外にはありえない、というくらいはまっていました。ちょっとプッと吹き出してしまうほど素晴らしいはまり役です。
・子鬼の市川右近がとても可愛い。会場からやさしい笑い声が漏れていました。

 とても楽しいお芝居をみなさまありがとうございました。





★★★★☆(2)雨乞其角(5:05-5:23)
 「あまごいきかく」と呼びます。扇雀が主役のしっとりとした舞踊ものです。4丁4枚の長唄がしっとりながれ、若者衆が傘でしっとりと舞います。

 みどころは舞台装置でしょう。丸い回転舞台を利用して舟が近寄ったり、遠ざかったり、いなくなったりと、とても自然に舟の感じを楽しむことができます。大道具の醍醐味、仕事ぶりを楽しむことができます。大道具さん、良い仕事ありがとうございます。楽しめました。



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