立派な若手に厳しい目も!「第7回文楽若手会(2019)」初心者向けオススメ度の星評価!


 好評の文楽初心者向け、オススメ度の星評価表!!2019年6月29日(土)に東京・国立劇場で公演された「第7回文楽若手会」の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<第7回 文楽若手会>
【総評】★★★☆☆
 初心者が見て面白いか、ためになるかという視点からすると今回は標準点の三つ星です。「義経千本桜」「妹背山婦女庭訓」という歌舞伎・文楽では超有名な演目ですので、これら演目を体験したいというビギナーは必須でしょう。ただし、本公演ではイヤホンガイドはありませんので、予習は必須です。この演目をみたことのないひとは、ぜったいに予習が必要です。

 この演目は「文楽若手会」という、いわば目の肥えた文楽ファンが多くいらっしゃる発表会というせいか「ちょっと物足りないね」「声がでていなかったねー」という感想も公演後にちらほら聞こえましたが、ビギナーのわたしには、さーっぱりわかりません。とても素晴らしく文楽を楽しむことができました。

 ただ、残念なのが休憩時間の少なさ。今回は13:00開演、16:40終演で、休憩は義経千本桜のあとの20分だけ。この休憩時は男性・女性ともトイレが長蛇の列で、あきらめたお客様もいらっしゃいました。千本桜を3幕通しというのは、ちょっと無理がある印象です。すくなくても、「すしやの段」の前で休憩が欲しいところです。国立劇場さん、よろしくご検討ください。以下、演目ごとの星評価です。

★★★☆☆(1)義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
・椎の木の段
・小金吾討死の段
・すしやの段

 とにかく、「すしやの段」がメインです。いがみの権太の戻りでストーリーが急展開します。ビギナーはもちろん予習必須で、予習をしないと意味不明で終わってしまいますのでご注意ください。

 「若手会」という発表会ですが、小金吾(こきんご)を吉田玉翔さんが面使いで登場していたのが意外でした。ベテランに近い若手なのでしょうかね。そのおかげで安心して見ることができました。面使いぶりは、立派なものでした。

 「椎の木の段」では、文楽の若手ホープの、豊竹咲寿太夫、鶴澤友之助のコンビが登場。書籍などによく登場している二人ですから、安心して見ることができました。

 でも、一番よかったのは若手ベテランの豊竹芳穂太夫でした。若手というかベテランというか、やはり、なんといってよいかわかりませんがよかったですよ。

★★★★☆(2)妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
・道行恋苧環
 苧環(おだまき)で有名な道行舞踊です。ストーリーは男女の3角関係にゆれる3名の物語です。四挺四枚の豪華な演奏ぶりて、短いながらも楽しめます。舞踊ものですので、ストーリーは重要ではなく、ビギナーも安心して見られると思います。そのため、四つ星としています。

 この「文楽若手会」は、東京と大阪で数日のみのレアな公演。レアなわりに有名な演目を楽しめて、かつお値段もお得ですので、若手の修業のために、回数を増やしてほしいところです。国立劇場さん、よろしくご検討ください。




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