5時間の熱演!海老蔵!「七月大歌舞伎(2019)」(夜の部)初心者向けオススメ度の星評価!

 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在東京・歌舞伎座で公演されている「七月大歌舞伎」(夜の部)の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<夜の部>
★★★☆☆(1)通し狂言 星合世十三團 発端・序幕(4:30-5:13)
★★★☆☆(2)通し狂言 星合世十三團 二幕目(5:23-6:41)
★★★★☆(3)通し狂言 星合世十三團 三幕目(7:11-8:38)
★★★★★(4)通し狂言 星合世十三團 大詰(8:53-9:43)

【総評】
・総合点★★★★☆
 七月大歌舞伎・夜の部は海老蔵が13の役をこなす、まさに「海老様ショー」です。ビギナーがこの演目を観た方がよいか、見て楽しめるかという視点からの星評価は堂々の四つ星です。歌舞伎の伝統を引き継ぎながら新しいことに挑戦し、よりエンターテインメント性を高めようとする海老蔵の努力が伺える演目となっていますので、ビギナーはぜひ観るようにしましょう。といいますか、理屈抜きで楽しめます。終演はなんと21:50。普通は20:30ごろの終了ですから、コスパのよいお得感あふれるお芝居でもあります。

 加えてこの演目は、歌舞伎三大演目の一つとも言われるズバリ「義経千本桜」でもありますので、この有名な演目を知る機会でもあります。ビギナーで「義経千本桜」をまだ見ていない人はラッキーです!これを機会に、歌舞伎の超有名演目を理解するよい機会ですので、ぜひみるようにしましょう。

 ただし、予習は必要です。あらかじめ「義経千本桜」のストーリーをしっかりと頭にきざんで望まないと、ストーリーが把握できないと思います。しっかりと予習してください。この演目のイヤホンガイドは、ちょっと説明がたりなかったのが残念です。有名な千本桜ですので、ビギナーにもわかるようにぜひ豊富な説明をよろしくお願いします!

【演目ごとの講評】
<7日の観劇記録です>
ネタバレになりますので、講評は最低限にとどめておきます。ご了承くださいませ。

★★★☆☆(1)通し狂言 星合世十三團 発端・序幕(4:30-5:13)
 冒頭、開幕前に舞台中央に小さい人形がちょこんと登場して配役を語る「人形口上」があります。開演5分前には座席について、準備しましょう。その後に、舞台上で海老蔵の劇中口上もあります。海老蔵のサービス精神がうかがえます。
 最後の弁慶の立ち廻りが見どころでしょう。

★★★☆☆(2)通し狂言 星合世十三團 二幕目(5:23-6:41)
 見どころは最後の「大物浦の場」の気迫あふれる知盛(とももり)です。満身創痍の知盛を海老蔵が熱演してます。最後の碇をかついで知盛が海に飛び込むシーンでは、いつもは黒い服をきている黒衣(くろご)さんが、青い海色の衣装を着て後ろに控えているのが見えました。倒れるときは「くるぞ、くるぞ」とみなさん、気合をいれている様子が、3等席からだとのぞけました。3等席ならではのプチ得した気分です。

 劇中に登場する銀平の着物の柄が、アイヌ民族の着物柄なのが時代背景をよく投影しています。この幾何学模様の柄がとても美しく、舞台に映えているのが印象的な演目でもあります。ぜひご注目ください。

 そして最後に海老蔵の宙乗です。驚く演出で観客席からがどよめいていました。ネタバレになりますので、あとはどうぞ劇場でその宙乗りの動きをお楽しみください。

★★★★☆(3)通し狂言 星合世十三團 三幕目(7:11-8:38)
 この演目の見どころは「すしやの段」のいがみの権平(ごんぺい)でしょう。「すしやの段」「いがみの権平」は歌舞伎の基本単語ですので、これを機会に覚えておきましょう。すし桶になにを入れるか、なにを勘違いしていたかを把握しておいたほうがよいです。

 この段はストーリーが複雑です。ビギナーは必ず予習をしてください。いがみの権太の戻りが重要なカギとなりますので。

★★★★★(4)通し狂言 星合世十三團 大詰(8:53-9:43)
 そして最後の段です。海老蔵のキツネぶりに注目です。え!というような場面から登場します。何度見てもどうして出てくるんだろうと不思議でした。またキツネに分した海老蔵が楽しそうに踊る姿、舞う姿は必見です。そして最後はとにかく驚きの連続。え!歌舞伎座でこんなこともやるの!とネタバレになりますので、なにもかけません。いや、とにかくすごい終幕です。みなさん驚くことでしょう。お楽しみください。ヒントは「桜」です。

今回は長丁場のお芝居でしたが、終演後に黒い衣装のスタッフさんが通路に並んでいました。是非帰り際に「楽しかったよ!」「よいお芝居ありがとう!」「お疲れ様!」と声をかけましょう!みなさま、ありがとうございました。

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