四幕も楽しめてお得感!「六月大歌舞伎(2019)」(昼の部)初心者向けオススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在東京・歌舞伎座で公演されている「六月大歌舞伎」(昼の部)の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

<昼の部>
★★★☆☆(1)令和慶祝 鶴寿千歳(4:30-4:46)
★★★★☆(2)絵本牛若丸(5:01-5:33)
★★★★☆(3)京鹿子娘道成寺(6:08-7:16)
★★★★☆(4)曽我綉俠御所染 御所五郎蔵 (7:36-8:55)




【総評】
・総合点★★★★☆
 團菊祭五月大歌舞伎・夜の部のポイントは、三幕目の「京鹿子娘道成寺」。歌舞伎を代表する大曲を菊之助が堂々と演じていますので、歌舞伎ビギナーはこの演目は必見です。ほか、三幕目の河竹黙阿弥作「御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)」も楽しめますし、ビギナーが見るべきかの視点から堂々の四つ星といたしました。三幕目、四幕目は幕見席に並んででも鑑賞しましょう。

 そして二幕目は七代目尾上丑之助の初舞台でもあります。インスタ映えする可愛い祝幕(いわみまく)にも注目です。





【演目ごとの講評】
<6日の観劇記録です>
★★★☆☆(1)令和慶祝 鶴寿千歳(4:30-4:46)
 この演目を「ズバリ三つにまとめると」・・・

・「令和」を祝う舞踊モノで、時間も17分ととても短くわかりやすい
・松緑と時蔵が優雅に踊っている
・昭和3年初演で当時は「昭和」への改元を祝っての演目で、今回はまさに「令和」を祝うかたちに

 という感じです。
 ほか、箇条書きに感想を記しました。
・琴4本の演奏が印象的です。演奏者は3人が女性で一人は男性という顔ぶれも歌舞伎座としては新鮮ですね。ほかに、太鼓が五人、一人が笛という構成での優雅な演奏となります。
・イヤホンガイドによると「箏曲による舞踊は珍しい」んですって。
・最後に舞台のせりあがりで、松緑と時蔵が鶴の羽ばたきを模したゆったりとした舞を続けました。
 なんだか不思議な感じで幕となります。優雅な感じをみなさんもどうぞ味わってください。





★★★★☆(2)絵本牛若丸(5:01-5:33)
 さあ、二幕目は注目の丑之助の登場です。丑之助のお祝い演目ですから、お祝い気分を味わっていただきたいため、ビギナー向けとしては堂々の四つ星です。短い演目ではありますが、一緒にお祝いしてあげましょう。

 さてこの演目を「ズバリ三つ」にまとめました。
・上手に竹本連中、下手に長唄連中という舞台の左右に分かれた演奏陣が対象の美を作り出している
・舞台中央のせり上がりから菊之助/丑之助/吉右衛門の3名が登場し、花道からは菊之助が登場するという豪華な演出
・芝居の途中で襲名の口上があり、ほほえましい場面も体験できる

 ほか、時蔵と雀右衛門がお祝いの踊りを舞いますがこのベテラン二人の踊りはとても安定しています。ビギナーもぜひ堪能いただきたいと思います。最後は花道での幕外の引っ込みに丑之助が挑戦。これもほほえましい。30分という短い演目ですが、丑之助はちょっとお疲れのようにも見えましたが、楽しく拝見いたしました。みなさま、ありがとうございました。





★★★★☆(3)京鹿子娘道成寺(6:08-7:16)
 「『令和最初の道成寺は菊之助』ということを覚えておいてください」とイヤホンガイドで何度も言っていました!




★★★★☆(4)曽我綉俠御所染 御所五郎蔵 (7:36-8:55)
 松也が素晴らしい演技をしています。序幕の松也と亀三郎の七五調のわたり台詞のシーンがちょっと長くて船を漕いでいる人が多数みられましたが、二幕目から話がどんどん展開して目が離せなくなります。
 このお芝居は、河竹黙阿弥の七五調のわたり台詞、最後の幕の、ゆったりとしたBGMのもとに繰り広げられる殺人のシーンなど、とても不思議です。この不思議さを感じることができるようになると、歌舞伎ファンとして一皮むけた証しかもしれません。





スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク