豪華すぎの楼門五三桐!「吉例顔見世大歌舞伎(2018)」(夜の部)初心者向けオススメ度の星評価!


 好評の歌舞伎初心者向け、オススメ度の星評価表!!現在東京・歌舞伎座で公演されている「吉例顔見世大歌舞伎」(夜の部)の初心者向けのオススメ度表です。★が多いほど必見です。満点は★★★★★。公演会場での「盛り上がり度」、「眠っている人度」、「口コミ度」などを総合的に判断しました。★:オススメ、☆:イマイチ

今回は幕見で「楼門五三桐」と「文売り」のみ観劇しましたのでその報告です。
<夜の部>
★★★★★(1)楼門五三桐(4:30-4:45)
★★★☆☆(2)文売り(5:00-5:17)

【演目ごとの講評】
<11月18日の観劇記録です>
★★★☆☆(1)楼門五三桐(4:30-4:45)
 吉例顔見世大歌舞伎の夜の部は、「桜門五三桐(さんもんごさんのきり)」で幕開けです。よみかたは、「さんもんごさんのきり」です。「さくらもん」ではありません。このお芝居、わずか15分というとても短いお芝居ですが、とっても贅沢! あっという間に終わりますので心して観劇ください。歌舞伎座では、昨年の平成29年三月大歌舞伎でとても似ている「けいせい浜真砂 女五右衛門」演じられていました。このときの女五右衛門は藤十郎が演じていましたが、鷹が加えていた手紙が落ちるというハプニングもありました。

さて、今回の「桜門五三桐」は、五右衛門を吉右衛門、真柴久吉を菊五郎が演じるという、二人の人間国宝が登場する豪華な演目となっています。

 幕が開きますと、舞台をすっぽりと覆った浅葱幕。わくわくしますよね。すると、上手からゆっくりと三味線使いが現れ、大薩摩の演奏が始まります。演奏は杵屋五七郎(きねやごしちろう)とイヤホンガイドでは言っていました。大向こうさんが名前を呼んでいましたので、有名なかたなのでしょう。じっくり勉強いたします。

 さて、片足を載せる台(「あいびき」と呼ぶのか確信が持てません)をもった方がゆっくりと登場。舞台にセットした後、唄うたいと、三味線奏者もゆったりと登場します。この「ゆったりとした間合い」が、贅沢ですよね。大人数が固唾を呑んで見守っているのに、ぜんぜんセカセカしていない。この風格を見習いたいものです。そのように、とてもゆったりと贅沢に時間が流れる感じが、ビギナーの大好きな瞬間です。この演奏は、イヤホンガイドでは、合いの手をかけながらうたうことを「からくさ」といいます、というよなことを言っていました。こちらも勉強いたします。

 さて、演奏が終わってまさに浅葱幕が切って落とされると、そこには絢爛豪華、華やか世界が登場します。イヤホンガイドでは「立体的な錦絵のような」と言っていましたが、とにかく豪華です。この豪華な舞台が15分程度した使わない、というのがまた贅沢だと思いませんか!

 さて、舞台の上には、五右衛門こと吉右衛門が構えています。そこへ、手紙を加えた鷹が飛んでくるのです。前述の女五右衛門のときは、丸まった手紙を鷹が加えていましたが、今回は丸まっていない!ひらひろとした状態の手紙をくちばしにくわえた鷹が、黒衣の差し金に操られて、ひらひらさせながら飛んできます。手紙が落ちないか、ちょっとはらはらしましたが、大丈夫でした!

 そうして、しばらくすると舞台がせり上がり、したから真柴久吉役の菊五郎が登場です。そして、五右衛門が手紙を読んでそのあとに、久吉に小刀を投げて、それをひしゃくで受けて幕、というとても単純なお芝居です。

 見どころは、ズバリ豪華な舞台。ビギナーも楽しめると思います。ただ、幕見席からだと、せり上がった舞台の吉右衛門の頭が見えないんですよね。その点、ご留意下さい。みなさま、ありがとうございました。




★★★☆☆(2)文売り(5:00-5:17)
 雀右衛門が演じる変化舞踊です。こちらも15分ほどの短い踊りです。歌舞伎の典型的な舞踊モノだと思います。文売りを演じる雀右衛門が舞台から登場しての幕開きです。

 ビギナーとしては、みどころはズバリあまりないと思います。普通の舞踊モノという感想でした。しかし、雀右衛門のような「こんなおばさん、たしかに、いるいる」という感じで、観ていると本当におばさん、いえ、お姉様が踊っているように見えてきます。そういう意味で三つ星としました。

 それは玉三郎などに比べると踊りにキレなどはないかもしれませんが、雀右衛門らしさがでている舞踊モノでとても安心して観られます。

 舞台もシンプルですが、舞台後ろに設置されているピンクと白の梅が引き締まった印象を与えています。みなさま、ありがとうございました。




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